さて、これまで私達が暮らしの中で利用するいろいろなものについて、あるいはそれを利用したときにどのくらいエネルギーが使われるのかを、私たちが一日生きていくために必要な食物のエネルギー量である2000kcalを一環境単位つまり1../EUとして比較してきました。
今回は、私たち人間の一生を環境単位で考えてみましょう。私たちは現在平均的に80年ほど生きるといわれています。この間に必要な生物学的なエネルギーを環境単位でみてみると、一年で365
../EUですから、80年ではおよそ30,000 ../EUとなります。これに日常生活を支えるために必要なエネルギーが、この基礎エネルギーのおよそ38倍程度必要になります。その量をあわせれば私たちが一生に使うエネルギー量はおよそ120万../EUになります。
しかし実際には、人はライフスタイルによってエネルギーの消費量がさまざまです。
これはすでに述べましたが、クーラーを使う人、車を使う人、ごみをたくさん出す人とそうでない人、お弁当を持ってくる人、外食で済ます人などさまざまです。ですから人によって一生の間に使うエネルギーはさまざまです。しかし、平均的な一生の間に使う生物学的なエネルギーは約3万../EUで、あまり人によって差はないのです。
私たちが一生に使うエネルギーは、人間社会全体からみれば、平均120万../EUですが、個々に見ればさまざまであることがお解りいただけたと思います。ちょっといろいろな人のライフスタイルでの差を比較してみましょう。
Bさんは家庭ごみの大半をしめる紙ごみは焼却してお風呂を沸かしています。不足分はガスを使っています。つまり、毎日お風呂に入るとすると一人分のごみのエネルギー2000kcalつまり一日1../EUが節約されています。車は持っていません。
Aさんはクルマで通勤や買い物をしています。一日平均25kmを車を利用すれば、10EUになります。さて、この数字を使って現代人Aさん、Bさんの二人と縄文人とを比較してみましょう。
BさんのエネルギーはAさんからごみで沸かすお風呂の分、自動車のエネルギーを差し引いてみました。率にして約17%ですが差が出るのです。さて、このように生活スタイルで一生に使われるエネルギーが大きく違うことがお分かりになったかと思います。
では、この私たちの一生の中で一番ウエイトを占めているのは何なのでしょうか。それは化石燃料のエネルギーです。自動車やストーブの燃料、料理やお風呂を沸かすためのガス、そして電気も大部分が火力発電所で、化石エネルギーが姿を変えたものです。これらのうち減らせるエネルギーを減らす事ができれば、私たちはいくらかでも地球に優しい生活を送ることができるのです。
どうすれば地球にやさしい生活ができるのか。それには全体的、あるいは平均的にみていてもだめなのです。個々の生活や活動を見直す、つまりものの使い方をよく観察してより効果的で環境にダメージをあたえない使い方を考えていく必要があるのです。
さて、次回はものの一生を見て行きます。私たちの身の回りにあるものがどのような過程で、どのくらいエネルギーを使って作られ、また使うときにエネルギーが消費されるのか、そして最後に廃棄するときにどのくらいのエネルギーが使われるのか調べていきたいと思います。