地球温暖化防止京都会議に来たNGO参加者の中には、飛行機よりCO2排出が少ないということでヨーロッパからシベリア鉄道で来た人たちもいました。ふだん飛行機の燃費はあまり考えませんが、どれくらいなのでしょうか。代表例として、ジャンボジェット(ボーイング747-200Bなど)を考えてみましょう。旅客機の燃料タンクは、ほとんどが主翼の中にあります。だから見た目には分かりにくいのですが、実は最大で19万リットル、ドラム缶950杯分も積むことができます。170トンの機体に150トンの燃料を積んで離陸するのだから大変なものです。
最長航続距離が約1万1000km、だいたい東京からニューヨークやワシントンへの直行便の距離です。ほぼ満席の300人が乗ったとして、1人当たりでは19km/L。普通の乗用車の半分くらいの燃費ということになります。ですから、乗用車に2人で乗って、直線距離でニューヨークまで行って帰ってくるのと同じです。このようにして東京−ニューヨーク間を往復したばあい、燃料だけで換算した1人当たりの環境単位は約5000euにもなります。エコノミークラスの人は自分で少し割り引いてみて下さい。
5000euというと、一人のヒトが約14年間生きていける食料エネルギーにあたります。大変なエネルギーを一度に使っているのですね。
念のため1995年の統計資料で見ると、1人を1km運ぶのに必要なエネルギーでは旅客航空は鉄道の11.6倍にもなります(乗用車とほとんど同じです)。遠くの都市まで一番早く、海を越えてまっすぐ飛んで行ける、現代生活には欠かせない飛行機ですが、こころして利用したいものです。
(資料)
ジャンボジェットの仕様:佐貫亦男『ジャンボジェットはどう飛ぶか』(講談社ブルーバックス)他多数。実際には旅客機は空中待機したり代替空港まで飛ぶための予備燃料も積んでいるので、17万リットル消費で計算。なお、国内線用のSR(短距離)型は最大積載燃料4万リットルと軽く、また乗客も500人以上乗れる。また最新型の747-400は最大積載燃料21万リットル、最大航続距離1万3000km、定員420名。燃料消費も初期の747より17%以上改善したとしている。ジェット燃料熱量:1リットル=8700kcalで計算。エネルギー原単位:EDMC編『'97エネルギー・経済統計要覧』(省エネルギーセンター)。旅客航空の年間平均原単位は570kcal/人・kmで、上記の満席ジャンボジェットの例より2割以上悪い数字である。それでも25年前と比べて55%くらいまで省エネが進んできている。
屋木伸司/文