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シリコンチップの夢!

販売店で新しいパソコンを見ると、かなりの省エネ優等生という印象を受けます。どんどん進む技術革新で、高性能の新製品が3か月ごとに発売され、性能比で見るエネルギー消費もどんどん向上しています。

デスクトップ型あるいはタワー型で、いまの主流はせいぜい200W。平均消費電力50Wとして、これに17インチディスプレイ100Wを乗せて1日8時間点けっぱなしにすると、消費エネルギーは1200Wh=1032Kcal。つまり1/2euです。さらには近年主流になった液晶ディスプレイのノートパソコンなら30〜60Wくらいだから、その3分の1以下で済みます。いまの最速パソコンは一昔前のスーパーコンピュータ並みの演算性能があるといいますが、それが自宅で、ほんの電球並みの電力で動かせるようになったのです。

エネルギースター

販売店のパソコンに、「energy☆」というネオンサインみたいなロゴマークのシールが貼ってあるのをよく見かけます。「エネルギースター」といいます。パソコンやコピー機など各種事務機の省エネを実現するために米国の環境保護庁(EPA)が始めたマークで、いまでは日本の通産省と相互承認され「国際エネルギースター」プログラムとなっています。

このマークの基準に従ったパソコンやディスプレイは、操作されずに数分放置すると自動的に消費電力30W以下の省電力モードになる機能が付いています。いまでは、ほとんどの新製品に貼ってあるので有り難みも減りました。これとは別に、パソコン(磁気ディスク装置)はいわゆる省エネ法に指定されています。

IT革命と省資源

しかし省エネが進んだと言っても、パソコンは売れている台数がいまや年間1000万台を超える勢いですから、少しの数字でもばかになりません。また、いまでは多くのパソコンがネットワーク端末として使用されていますから、単体で計算しても無意味で、周辺機器やサーバー、さらには電話回線を含む社会インフラまでシステム全体のエネルギー消費を計算しなければいけないのでしょう。

そして何より一番の問題は、パソコンの消費電力もさることながら、その普及によってどれだけの省資源が達成されるかということです。パソコンがあればこそ、無駄な生産や流通が減らされ、省資源につながったという例はおそらく非常に多いのでしょう。情報技術(IT)革命によって直接転換するものに限って見ても、大きな省資源が期待できます。

槌屋治紀氏(システム技術研究所)の試算によれば、たとえば新聞と書籍が電子通信化された場合、用紙生産や印刷流通などが省かれて、それぞれ47倍、221倍のエネルギー節約になり、また同様に郵便がファクシミリに置き換わることで9倍有利になるとしています。この試算後の急速なインターネットの普及は新聞不要時代を実感させています。さらにTV会議や在宅勤務などの普及による交通・都市機能の省力化など、大きな社会構造転換を伴うような効果も期待されます。

いっぽうでは情報管理も厳しくなったりして、人間にとって暮らしやすい社会になるかどうかは、わかりませんが。

屋木伸司/文


3か月ごとに新製品:
これほど新品がすぐに陳腐化する商品も珍しい。10年前のテレビはぜんぜん珍しくないけれど、ほんの5年足らず前、ウィンドウズ95が出る以前のパソコンの何パーセントがまだ働いているだろうか。いつかは全部廃棄される。テレビは家電リサイクル法対象商品なのに、まだパソコンは含まれていない。
電力消費:
ところでオフィスのエアコンに対する負荷もばかにならない。電力消費はほとんど廃熱に化けるのだから。その熱は、例えばノートパソコンのなかに電球が2〜3個点いていると想像してみよう。
エネルギースター:
省エネルギーセンターのサイト(http://www.eccj.or.jp/)参照。このサイトには省エネ法も詳しい記載がある。なお、パソコンの環境性能については、グリーン購入ネットワークのサイトに一覧表がある。冊子も販売している。
電話回線:
社会的省エネはともかく、電話回線の利用度は確実に高まる。NTTのエネルギー消費はこのままいくと3倍に達するという。NTT独占が続けばの話。
IT革命:
試算は科学技術庁資源調査会「都市生活・情報化・エネルギー」(1997年、大蔵省印刷局)などに記されているが、上の数値は地球環境戦略研究機関編「新しい発展パターンとは何か」(近刊、中央法規)の槌屋論文によった。槌屋他「日本におけるCO2削減のためのキーテクノロジー政策」(1997年、WWF温暖化防止キャンペーン)も参考になる。

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