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ハチドリ

地球全体が渡り鳥の住みか

多くの渡り鳥が、夏、北の地域で繁殖を行い、夏が終わりに近づくとに南へ渡っていきます。鳥たちの中には、太平洋やサハラ砂漠を飛び越えて5000kmもの渡りをするものもいます。渡り鳥たちのからだには、その種類にとって効率のいい渡りの方法や、コンパス・地図が生まれつきプログラミングされています。そこには国境という観念はありません。まさに渡り鳥たちには、地球全体が彼らの住みかなのです。


渡り鳥たちはなぜ長距離を移動できる?

体の大きいワシやタカの仲間は、比較的高い高度を飛び、上昇気流に乗って広い水域や砂漠を渡ります。そのため、風が渡りを決断する重要な要素になります。気候を選んで、海上を越えるか、陸を行くか決めます。

ガンやカモなどは、夜に渡りをします。彼らは飛行中の羽ばたきの運動によって莫大な熱を発生しています。太陽の照りつける中で長い距離を飛行すれば、体温が上がりすぎてしまいます。夜ならば、涼しい大気に発生した熱を放散でき、水分の過剰な蒸発を防ぐことができます。夜に渡る理由として、もう一つの説があります。日中、鳥たちは渡りに必要なエネルギーを蓄える為にとにかく食べます。食べ物を見ることができる明るいうちはひたすら餌を食べ、日没を待って尾根や海岸線、川の道筋をたよりにそれぞれの目的地に向かいます。そして夜があけて明るくなる頃、中継地を見つけて次の飛行へ向けての蓄えをします。

シギ、チドリの仲間に、太平洋を横切って渡りをするものがいます。いくつかの島に立ち寄りながら、8000km以上離れたところまで渡ります。ムナグロはハワイからアラスカまでノンストップで飛行するといわれています。そのようなタフな飛行ができるのは、彼らが洋上の気流の動きを熟知しているからです。場所によって違う向きで流れている気流を乗り継いで、風の力を借りて飛行します。私たちが高速道路を乗り継いで効率よく移動するのに似ています。


1euで地球1.5周飛べるハチドリ

ハチドリは、鳥の中で最も小さく昆虫のように花の蜜を食料にしている鳥です。300種以上のハチドリの中で、驚くことに北米大陸から1000kmものメキシコ湾を一気に渡るものがいます。風向きなどの気象条件を利用して、水面すれすれに飛行、中南米の花畑まで渡っていきます。体重は5グラム、飛行燃料は脂肪、脂肪1グラム(9カロリー)で300km以上飛ぶといわれています。渡りが終わると脂肪を使い果たして体重は半分になってしまうそうです。

人間が毎日必要とする食物エネルギー2000カロリー(環境単位=1eu)に換算すると、ハチドリは、1euで約6万5千km飛行できることなります。これはなんと地球1.5周の距離です。体重5グラムとはいえ大変な省エネ飛行ですね。生命のメカニズムはたいしたものです。人類も地球上で一緒に生きている他の生命にもっと多くのことを学ぶべきではないでしょうか。




資料: 『鳥の渡りを調べてみたら』ポール・ケリンガー著/丸武志訳(文一総合出版)
協力: 文一総合出版編集部



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