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太陽こそ、エネルギーの源
自然エネルギーと呼ばれるものはほとんど太陽のエネルギーが形を変えたものです。風力発電は陽が当たって大気が暖まることで発生する風の運動エネルギーを風車で捕まえるものですし、水力発電は太陽で温められて蒸発した水が上空で冷やされて高地に雨が降り川となって流れ下る、この位置エネルギーを利用してタービンに引き込み、回転運動エネルギーから発電機で電気エネルギーに変えるものです。
太陽電池は、太陽から地球に届く光のエネルギーを直接、電気エネルギーに変える装置です。電卓にもついているように装置の大きさは自由になります。駆動系がないので騒音もなく、メンテナンスも容易です。燃料不要で、大気汚染物質もCO2も出しません。陽が射すのはどこでも同じなので都会でも設置できます。つまりエネルギー消費地で生産できます。住宅の屋根につければ、電力が"自給"できるのです。こうしたことから、究極の自然エネルギーとして期待されてきました。
以前は値段が高すぎて普及が進まなかったのですが、1990年代に入ってコストダウンが進み、また自宅消費で余った電力を電力会社に売ることができるよう法律が変わったり、設置経費に助成金が出たりということで、諸条件が整備されたことから、急速に普及が進んでいます。
太陽電池の原理
太陽電池はセルと呼ばれる、数センチ〜十数センチ角の平面体がたくさん並べて作られています。扱いやすい大きさにまとめられたもの(モジュール)をさらに用途に合わせて複数つないで設置します。それぞれのセルは、一般にシリコンでできた2種類の半導体が重なってできています。セルの素材でいろいろタイプが分かれ、同じシリコンでも単結晶型、多結晶型、アモルファス型があり、後で述べる変換効率やコストなどで一長一短あります。
なぜここに光が当たると電気になるのかというと、ふつう物質は原子と電子が強く結びついているけれども、半導体では光などの刺激を与えると電子が自由に動けるようになり、2種類の半導体が接合されているとこの電子(-)と、電子の抜けた電荷(+)がそれぞれの側に集まって、電位差を発生するという、光電導効果と光起電力効果を利用しているのです。
期待される技術革新
さて、太陽から地表に届く光のエネルギーは、1平方メートル当たり約1kWです。これが全部電気になれば言うことありませんが、様々なロスがあって、電気になるのはその一部です。電気で取り出せるエネルギーを入射する太陽光エネルギーで割った数字を変換効率といいます。実用化レベルでこれが10〜20%とされます。最近の住宅用モジュールはセル変換効率15%前後が多いようです。変換効率15%で最大出力3kWにするには、20平方メートル必要です。実際にはモジュールの表面は全部セルではないから、もう少し広くなります。南面のちょっと立派な屋根が必要です。
3kW装置だからといって、いつも3kW発電できるわけではありません。発電できるのは陽が射している間だけです。東京の年平均日照時間は1811時間、つまり1日平均5時間弱です。真南向きに設置しても朝夕は斜めに当たりますから、さらに発電効率は下がり、経験的に3分の2として、年間3600kWh。1500eu。1日当たり4euです。4人家族が1人ずつ発電要員を抱えているといったところでしょうか。
省エネも含めて家庭の電力消費をどのようにしていきたいかの意識を持った上で設置したい装置です。まあ、一生に何度もあることではありませんが、新しい屋根のある方、ご一考下さい。
(屋木伸司/文)
- 注1:参考資料
- 小澤祥司・角田和仁『自然エネルギーがわが家にやってくる』(中央法規)
- 清濱川圭弘編著『太陽光発電−最新の技術とシステム−』(シーエムシー)
- 注2:参考ウェブサイト
- シャープや、サンヨー、昭和シェルなど。
統計数値は太陽光発電協会にあります。
(c) 木野鳥乎
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