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日本の秘伝・井戸掘り技術が21世紀に大活躍!

 
井戸はどうやって掘るのか知っていますか?
明治時代に日本で考案された簡便な井戸掘り技術が
今、海外の水不足に悩む地域で注目されています。
 
私たちの日常生活に欠かせない、もっとも基本的なもの。それは「水」です。インターネットや携帯電話が無くても生きていけますが、水が無くては話になりません。古代文明が大河のほとりで発展してきたのも、まず安定して水を得られるという条件があったからです。逆に言えば、水の入手が困難だったり不安定な状況では、生活さえ危ぶまれるということです。

現在もなお、アジア・アフリカ地域では慢性的な水不足に悩んでいる場所があります。
村から何キロも離れた川や泉に、毎日水をくみに行かなければ生活を維持していけないのです。こうした状況を解決するには、井戸を掘ることが有効です。
特定非営利活動法人「インターナショナル・ウォーター・プロジェクト(IWP)」という、アジア・アフリカ地域で井戸を掘るボランティア活動をしているグループがあります。IWPでは、単に井戸を掘るだけではなく、井戸掘りの技術そのものを現地の人々に教え、広く普及させることを重視しています。そのためには特殊な土木機械を使うことなく、現地で入手できる材料と人力だけで、深い井戸を掘ることができる技術でなくてはなりません。IWPが採用している井戸掘りの手法――それは日本に昔から伝わる「上総掘り」と呼ばれる技術を元にしています。

上総掘りとは、明治初期に上総地方(今の千葉県袖ヶ浦市近郊)で考案されたものです。使うのは鉄製の管と、竹や木材などです。掘る場所の上に作業用の足場を作り、鉄管を地面に突き刺して井戸を掘っていきます。足場の上に組んだ竹(ハネギ)の弾力で鉄管を引き上げながら、掘った土砂は鉄管の中にたまっていく仕組みで、効率良く深い穴を掘っていくことができるのです。この方法により、3、4人の力で数百メートルもの井戸を掘ることが可能になりました。電気もガソリンも使わずに、これだけのことができるというのが驚きですが、上総掘りは全国にも普及し、多くの井戸掘りに活躍。さらには熱海や別府の温泉や秋田の油田の掘削にも応用されたそうですから、その実力は折り紙付きと言っていいでしょう。

IWPでは、この上総掘りを、よりシンプルで、材料も現地調達が可能な新方式(大野式)へと改良。かつて日本の井戸職人たちが知恵を集めて、作り上げていった井戸掘り技術。それがアジア・アフリカ地域の水不足を解消するために用いられている――その事実に何か感慨深いものを感じずにはいられません。
特定非営利活動法人「インターナショナル・ウォーター・プロジェクト」

千葉県立上総博物館の「上総掘り」紹介ページ
 
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