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きっとそこにあるはずだ

太陽系第7惑星「天王星」発見物語

 
天文学には誰をも引きつける魅力がある。
観測技術の発達によって土星の外側を巡る
惑星の存在を探し求めた天文学者たちのドラマ。
 
1781年、イギリスの天文学者ウィリアム・ハーシェルは望遠鏡で天体観測中に、ある発見をしました。ハーシェルは「新しい彗星を発見した」と公表しましたが、観測を続けていくと、この天体は土星軌道の外側を巡る「惑星」であることが確認されました。ハーシェルはめでたく太陽系第7惑星「天王星」の発見者として天文学の歴史に名を残します。

ちなみに第6惑星の土星が、あのガリレオ・ガリレイによって初めて観測されたのが1610年のこと。それから天王星の発見まで150年以上もかかったわけですが、これは天文学者の怠慢というわけではなく、望遠鏡の性能アップが必要だったからです。
ところがハーシェルの発見以前にも、天王星の観測記録があったことが分かっています(一番古い記録で1690年)。残念ながらそれらの記録を残した人達は、それを「惑星」とは認識できなかったのでした。案外、大発見というものは見過ごされているのかもしれません。

天文学者たちは新しい惑星の観測に力を入れ始めました。ところが観測結果を分析すると、天王星の軌道がニュートン万有引力の法則から導き出されるものとは微妙に異なっていたのです。理論が間違っているのか観測データが間違っているのか。
1843年、ケンブリッジで学ぶジョン・カウチ・アダムズは、天王星の軌道に影響を与えている未知の惑星が存在するはずという仮設を立てました。しかし、この説は全く相手にされませんでした。
同じ頃、フランスのウルバン・ジャン・ジョセフ・ルベリエは、アダムズの研究については全く知らないまま、天王星の軌道に影響を与える未知の天体について調べていました。ルベリエは自分の研究結果をもとに、ベルリン天文台のヨハン・W・ガルレの協力を得て、1846年に天王星の外側を巡る第8惑星「海王星」を発見したのでした。天文学はどちらかというと、粘り強い観測者による「偶然の発見」が支えてきた分野というイメージがありますが、数学的な計算によって「このあたりに存在するはず」という予測が先にあって、観測がそれを確かめるという方法で海王星が発見されたエピソードはとても興味深いと思いませんか?

さて天王星、海王星と来たら、次は「冥王星」の発見と行きたいところですが、これまで太陽系の第9惑星として知られてきた冥王星は、2006年の国際天文学連合の決定により、惑星の座を奪われて「矮惑星(dwarf planet)」として扱われることになりました。冥王星の発見に至るまでには、さらにドラマがあるのですが、この話はまた別の機会に。人類がどう扱おうが、冥王星は前と変わらず太陽を巡っているのですから。
icon 参考文献:アククサンダー・コーン著『科学の運ーー発見と逸機の科学史』(工作舎)
 
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