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人間が「地図」を使い始めたのは、文字を発明するよりもずっと以前だと言われています。自分と世界との関係を記述するための手段として、地図は最も偉大な情報デザインの方法の一つといえるでしょう。私たちがこの身体を通して感じられる世界の広がりは限られていますが、それを超えて、他者とともにこの世界を情報として把握し、共有するための道具が、地図なのです。
古来より地図は、その時代時代の想像力や科学にもとづく世界観を反映してきましたが、現在でもそれは同様です。コンピュータやネットワークのようなデジタルメディアを使った地図というと、世界のありようを緻密に、リアルに取り込んだもの、というイメージを抱きがちですが、むしろデジタルな地図は、ただ単なる世界の忠実な反映というよりは、やはり強力な「想像力のメディア」だという気がします。 たとえば、インターネット上に存在する様々な地図関連のサイト。それらを巡ってみると、今まで私たちが地図に対して抱いていたイメージとは全く違うものが展開していることを実感します。学校の地理の授業で使う地図帳や、観光ガイドに載っている地図は、(言うまでもないことですが)印刷されたページの上に定着したまま、動くことはありません。しかし、インターネットの地図帳は、「インタラクティブ」で「生きている」のです。そこでは、インターネットを行き交うデータの「混雑状況」がリアルタイムに近い形で視覚化されたり、様々な統計データが重ね合わされたり、アクセスした人が自由にデータを書き込んだりする、といったように、全く違ったアクティビティが展開されています。 こうしたダイナミックなデジタル地図は、この地球という惑星に折り重なり、時々刻々と変化する様々な情報の層(レイヤー)をあらわにし、私たちに世界の違った容貌を見せてくれることになります。インターネットの地図サイトはまさに、地球をモニタリングするための手段といえるでしょう。 |
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