SENSORIUM TopHORIBA Online
 
●エコ都市地図を協働的につくる
【Green Map System】
このプロジェクトは、1992年からスタートしています。主催者のウェンディ・ブラウアーさんによれば、「都市に住んでいる人々が、自分の周りの環境とのエコロジカルなつながりを再発見するためのツールを作りたかった」のだそうです。

最初に出版されたニューヨークのグリーンマップには、市内にあるコミュニティガーデンやファーマーズ・マーケット、たい肥づくり用のコンポスト、ソーラーパネルを使った案内板、化石燃料を使わないワークバイク(リアカー?)のレンタル....等々、といった地域におけるエコロジカルな資源の場所が書き込まれ、折からの環境問題への意識の高まりとともに人気を集めました。その後、プロジェクトは、日本(京都、世田谷など)も含む世界の33カ国の90以上の都市で、その趣旨に賛同する人々の草の根的な取り組みによって展開され、国連がNPO/NGOに対して認定する「BestPractice100」にも選ばれています。

インターネット上のグリーンマップのサイトでは、サンフランシスコやコペンハーゲンなどの都市の地図を見ることができます。すべてが、政府や企業といった特定の機関が作ったのではなく、それぞれの都市に住む人々が、地域を新しい目でフィールドワークしたり、地図上のアイコン(絵記号)をデザインしたりしながら作った地図です。ウェブ上にあるニューヨークのマップなどでは、アクセスした人自身がそこに情報を書き込むことによって、自らプロジェクトに参加することもできます。


●ネットサーフィンの軌跡を地図上に
【WebHopper】
1996年から続けられているウェブ上の実験プロジェクト「sensorium」(この堀場製作所のサイトと偶然にも同じ名前です)のなかにある表現のひとつです。ウェブページをクリックすると、ウィンドウ上には北極を中心とした地図があらわれます。しばらく見ていると、いくつもの軌跡が地図上に延びていきます。ある線は日本からアメリカへ、別の線はオーストラリアから欧州へ、というように。これは、あなたが今まさにアクセスしているこの時点での、どこかにいる誰かのネットサーフィンの様子がリアルタイムで見えているのです。技術的には、ある地点を通過するデータのパケットに書かれてある宛先情報を読み取り、それを緯度経度情報に変換して、地図上に描画していく――という仕組みです。コンピュータに向かってインターネットにアクセスする体験それ自体は、ひどく孤独なものですが、こうして匿名の他者があちこちで活動しているのだ、という実感を得ることは、インターネットという空間に対する意識さえ変えてくれるような気がします。


●現代日本人の「生命地図」の試み
【Live Atlas Project】
これは、春日部秀和病院と国際大学グローバルコミュニケーションセンター(GLOCOM)がウェブ上に公開している共同研究プロジェクトです。簡単に言うと、医療・社会・経済指標の市区町村別データを日本地図のインターフェイスに重ね合わせ、現在の日本人の「生命活動の地図」をつくる試みです。

別にあるデータベースに蓄積されている膨大な統計データをもとに、各地域の住民の寿命、高齢者の割合、所得格差、といったことが地図形式でビジュアルに把握することができます。従来なら、こうした統計データは、数値化され専門家の分析に供されるだけでしたが、インタラクティブな地図化という方法をとることによって、専門家でなくても全体の状況や地域ごとの違いを直感的に理解できるようになるわけです。

この種のプロジェクトは、各種のデータベースと地図を組み合わせたGIS(Geographical Information System:地理情報システム)と呼ばれます。インターネット上で動くGISとしては、ほかにも様々なものがあり、充実している例としては、カナダの「National Atlas of Canada Online」があります。


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