1章 基礎知識

この章では導電率とはどのようなものかをできるだけやさしく説明します。そのため、科学的な厳密さに欠ける部分や、導電率計を十分に使いこなすためには内容が不足している部分もありますが、まずは気軽に読んで下さい。

1745年イタリアで生まれたヴォルタ(A. Volta)は、成長とともに頭角をあらわし、1799〜1800年ヴォルタ電池を発明しました。それまで知られていた摩擦電池とは異なり連続的な電流が得られるヴォルタ電池は、世紀の大発見でした。このヴォルタの発明以来いろいろな人が新しい発見をしたのですが、ドイツの物理学者オーム(G.Ohm)もその一人でした。オームは金属の導電率を測り、1827年有名なオームの法則を発見しました。
イギリスのファラディ(M. Faraday)は1791年鍛冶屋の子として生まれ、13歳のとき製本屋の見習工となりましたが、そこで多くの書籍にふれました。1813年王立研究所の教授ディビーの助手となり、化学と物理の分野で活躍し、1833年電気分解の法則を発見し、溶液中で電気を運ぶ粒子としてイオンを想定しました。
電解質溶液の電気伝導性はドイツのコールラウシュ(F. Kohlrausch)によって1869〜1880年にわたり、精力的に測定されました。もともとコールラウシュは水のイオン積を求める手法として導電率を測りはじめたといわれています。 このとき導電率を測定するために考案されたコールラウシュブリッジは、現在でもよく知られています。

ヴォルタ |
(A. Volta) |
伊. |
1745-1827 |
オーム |
(G. Ohm) |
独. |
1787-1854 |
ファラディ |
(M. Faraday) |
英. |
1791-1867 |
コールラウシュ |
(F. Kohlrausch) |
独. |
1840-1910 |

中学生の頃、電気の基本的な考え方としてオームの法則を習ったことを覚えておられますか。日常生活において、オームの法則が必要な人はまずいないと思います。電気と聞いただけで拒絶反応を示す人も少なくありません。電気のことをこと細かく説明しても話をややこしくするだけでしょうから、ここでは後の話がわかるのに必要な最低限の概念だけを説明します。

突然式がでてきましたが、これが有名なオームの法則を表すものです。 私達の家庭で使っている電気は100ボルトであり、単1とか単2とかの乾電池は1.5ボルトです。これを電圧と言っています。 電池に豆電球をつなぐと電球がともります。これは電流が流れたためです。電流の流れを邪魔しているものを抵抗と言い、抵抗が大きいほど電流は流れにくいということです。 オームの法則を川に置き換えて考えてみて下さい。川が流れるための高低差が電圧、流れる水の量が電流です。川の長さや川幅、川の中の障害物に相当するものが抵抗です。 同じ水が流れる川でも高低差があるほど、また太くて短く、川の中に障害物がないほど流れる水の量は多いということです。
ここで頭の中を整理するために問題を考えてみて下さい。
問 1.5ボルトの単1電池に、点灯時に抵抗が3オームの豆電球をつなぐと電流は何アンペア流れるでしょうか。
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