これまでの説明で、導電率というのが一体どんなものか大体の雰囲気はつかんでもらえたと思います。それでは導電率はどんなふうにして測るのでしょうか?基本的な測り方についてお話しします。
電解質溶液の中にはイオン(プラスの電気を持った陽イオンとマイナスの電気を持った陰イオン)がいます。いま図(A)のように1対の金属板を電解質溶液中に入れ電池をつなぎます。そうすると陽イオンは電池のマイナス側へ、陰イオンは電池のプラス側へ動きますから溶液中に電気の流れ(電流)が生じます。
という式が成り立ちます。すなわち金属板を動かさなければL/Sは一定ですから、導電率は抵抗と反比例の関係となり、抵抗を測れば導電率値がわかることになります。ここで、「1-1 オームの法則」を思い出してみて下さい。
となります。電池の電圧(E)は一定ですので導電率(k)と電流(I)は比例関係になり、電流を測っても導電率を求められます。この式からも導電率とは電流の流れやすさの指標であるということがわかるでしょう。
ここでもう一つ、長さと面積についてお話ししておきます。
今まで述べてきた導電率の式の長さ(L)/面積(S)を変えると当然測定される導電率の値が変わってしまいます。一般にこの長さと面積との比をセル定数といって、
となります。セル定数はモノサシで金属板の間隔と面積を測れば原理的には求められます。金属板1枚の面積が1

を1cmの間隔でセットしたときセル定数はK=1/1=1(

)という事です。
これを10cmの間隔にするとセル定数はK=10/1=10(

)となります。これらのセルにそれぞれ同じ液、例えば1(S/cm)をいれたとき測定した抵抗値はK=1(

)のセルは1(Ω)、K=10(

)のセルは10(Ω)となるわけです。
これまでは、図(B)のようにイオンが真っすぐ動く場合の話でしたが、実際にはイオンの名の通り(イオンとは放浪者という意味でしたね)みんなが真っすぐに動いてはくれません。図(C)のように回り道をするイオンもいるため、セル定数はモノサシでは求められないのです。
それではどうすればいいかというと、導電率のわかっている標準液の抵抗を測れば
セル定数(K)=抵抗(R)×導電率(k)
からセル定数が求まります。
標準液としてよく使用されるのは塩化カリウム(KCl)を水に溶かした液ですが、これは導電率測定法の基礎を築いたコールラウシュ以来の由緒あるシロモノです。