フーリエ変換測定法は、多くの波長の光をひとつの検出器で受光し、時間の変化に伴う強度を計り、周波数つまり各波長ごとの強度変化を測定する方法です。聖徳太子は、一度に7人の話しを聞き分けましたが、このFT-IRは、同時に4000人から10,000人の話しを聞き分けると考えていただければわかりやすいと思います。
★ 赤外線について.... ★
電子レンジで牛乳を温めることがあると思いますが、これは水分にエネルギー波長の電磁波をあてると、水分子の動きが激しくなり、やがて熱エネルギーに変わり、温度が上昇するという仕組みになっています。赤外線は、電子レンジの電磁波よりもさらに波長の短い光で、分子構造によっては、この赤外線を吸収します。こたつに入ると、暖かく感じますが、これも人間の体が、赤外線を吸収しているからです。この赤外線の波長及び吸収の強さは、物質によって異なります。従って、物質に多種類の波長の赤外線をあて、どの波長で吸収をしているかを調べれば、その物質が何であるか解るというわけです。物質に赤外線をあてて、出てくる信号パターンは、化学物質個々に特有のもので、いわば人間の指紋のように物質固有のものとなっています。したがって、未知試料の同定には、標準的な信号パターンを数多く保有したデータベースも市販されており、FT-IRで得られた信号パターンを、このデータベースと照合させて、物質の同定を行います。
例えば、最近問題になった、清涼飲料水中のごみが、一体何であるかを調べたりするのに役立ったのがこの装置です。
その他にも、デパートの品質管理部門では、入庫された製品が、実際の規定値を満たした製品かどうかをチェックする為に用いています。犯罪の科学捜査にも、全国の警察で活躍中です。
また、古墳の中から発掘された1本の糸が、木綿なのか絹なのか動物の毛なのか...?の判定ができるのもこの装置です。
ADEOS(人工衛星)への搭載が、通産省で検討されたことがあり、いつか地球の周りを飛ぶ日がくるかも....? という期待があります。
また、HORIBAの主力製品である自動車の排ガス分析装置にも、一部この装置と同じ原理を用いて開発された分析計があり排ガス中の多成分を同時にリアルタイム定量を行なっています。







