ICP発光分析は、物質のなかにどのような元素がどれだけあるかを知るために使われます。
その原理は、炎色反応と同じです。
食塩水を白金線につけ、ガスバーナの炎にかざすと、黄色い光が生じます。これは食塩のナトリウムが発光することによるものです。このように、物質を炎にかざすと、元素特有の色(波長)の光がでてきます。これを炎色反応といいます。
ナトリウムなら黄色、リチウムなら赤色になります。花火の色も、この原理を用いたものです。
この光の色(波長)からどんな元素が含まれているかがわかり、その光の強さから含まれている量がわかります。
ICP発光分析は、ガスバーナの代わりに、アルゴンをプラズマと呼ばれる高温の状態にして、この熱で原子を発光させます。またいくつもの元素を一斉に測定するのが得意です。
ICP発光分析は、20年も昔から、工業材料などの組成分析に使用されていましたが、最近では、環境にも広く利用されるようになってきました。工場の排水に含まれる微量元素の濃度を調べるための日本工業規格(JIS)の工場排水試験法などにも採用されています。その基準は元素により異なりますが、たとえば、鉛の場合、1リットル中に0.1mg以上あってはならない。つまり約一千万分の一(1/10,000,000)という極微量の濃度領域の測定することになります。
この装置は、ppbから数%までの多元素一斉分析を行なうことができる特徴を生かし、鉄鋼、セラミックス、半導体などの産業材料中や、血や尿、魚や野菜中の微量元素の濃度測定したり、航空機のエンジンオイル中の金属分析からエンジンの摩耗箇所を予測したり、月の石や植物の葉などに含まれる元素の研究に用いられたり…とさまざまな現場で活躍しています。







