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お肌はどうして弱酸性?

気温がグングン上がり、日差しもジリジリ照りつける季節になりました。気を抜くとすぐに汗でびしょびしょ、真っ黒に日焼けしてしまうこの時期、洗顔料やボディーソープなどのスキンケア商品が活躍する季節でもありますね。

最近では、“お肌にやさしい弱酸性”とうたわれているスキンケア商品もすっかりおなじみになりました。一方で、なぜ弱酸性がお肌にやさしいのかと問われると、答えられない方が多いのでは?

知っているようで意外と知らない、お肌とpHの関係について、お話ししましょう。


なつかしのリトマス試験紙……「pH」ってどんなものだった?

なつかしのリトマス試験紙……「pH」ってどんなものだった?

「pH(ピーエッチ)」という言葉を、一度は聞いたことがあると思います。酸性・アルカリ性の強さ(弱さ)をあらわすのがpHの数値です。理科の実験で、pHの値によって色が変化することで、酸性・アルカリ性を示したリトマス試験紙、覚えてる人も多いのでは。アジサイの花も、土壌のpHによって花の色が変わることが知られていますね。

pH 7が中性で、それより値が小さいと酸性、大きいとアルカリ性。身近な食べ物で例を挙げると、レモンはpH 2.5、石鹸水は7~10、コーヒーは5~6.5、牛乳は6.2程度、ビールは4.5だといわれています。酸性のものは酸っぱくて、アルカリ性のものは苦い。簡単に言えば、そんなイメージでしょうか。

人間のカラダにもさまざまなpHが存在します。胃液は強酸性で1.5~2.0(なんと主成分は塩酸!)、血液は7.4、汗は7.0~8.0です。肝心なお肌の表面ですが、pH 4.5から6くらいの弱酸性だといわれています。ですからお肌のケアには、お肌に優しい=刺激の少ない“弱酸性”が良いということになります。


お肌のpHは年齢とともに変化する

お肌のpHは年齢とともに変化する生まれたばかりの赤ちゃんの肌はほとんど中性ですが、あっという間に酸性に変わります。酸性≒殺菌作用があることを意味し、デリケートな子どもの肌を守るため、皮膚を弱酸性に保つ仕組みになっているわけです。

人間の肌にある皮脂膜は、肌を保護するための天然クリームの薄いベールのようなもの。肌のうるおいを保ち、滑らかにするだけでなく、肌を弱酸性に保つことで外部からの刺激や雑菌の繁殖を抑える働きもあります。

自然の殺菌作用が備わっている人間の肌ですが、年をとるにつれ、ふたたび中性に近づいてしまいます。その結果、殺菌作用が弱まり、肌荒れが起こりやすくなるのです。実際に肌荒れや皮膚病になると、pHは6を超えてしまいます。そういうこともあり、お肌のためには弱酸性の石鹸やクリームが薦められているのです。


お肌になぜ、弱酸性がやさしいのか、おわかりいただけましたか? 人が元来持つ、自らの肌を守ろうとする成分を守るための弱酸性、なんですね。

このように人体の性質とpHは切っても切れない間柄。「はかる場」では、人体とpHにまつわる、さまざまなエピソードを紹介していきます。

 

Photo by Thinkstock/Getty Images


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