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京都水族館をはかる[2]
  海水の塩分濃度を「はかる」

水族館では通常、海のいきものたちを健康に飼育するために、海水の水質を維持する必要があります。具体的には、海水の状態を「はかる」ことでメンテナンスをしています。京都水族館でももちろん、同様のメンテナンスが必要です。前回お伝えしたとおり、ほかの水族館にはない“人工海水100%”という特性もあり、特に海水を「はかる」技術が欠かせない水族館といえるでしょう。

海水、つまり水を「はかる」技術とはいったい、どんなものなのでしょうか?

温度? 重さ? キーワードは「電気伝導率」。早速、京都水族館で何を「はかる」のか、見ていきましょう。


人工海水の塩分濃度を「はかる」

人工海水の塩分濃度を「はかる」

海水の質をチェックするために、世界中の水族館でさまざまな「はかる」が活躍しています。たとえばpHや酸素濃度、流量など。展示される海のいきものたちが多様な生態を持っているように再現する「海」もさまざまで、海水を構成する要素の細かな調整が求められています。

京都水族館で「はかる」要素にはひとつ、特徴的なものがあります。それは“塩分”です。海水も人工海水も、塩だけではなくさまざまなミネラルが含まれていますが、塩分の濃度は、人工海水の調整で、重要な役割を担っています。

繰り返しになりますが、京都水族館の海水は天然の海水ではなく、“海水のもと”から作られた人工海水。“海水のもと”はその名の通り、海水を再現しうる、海水が持つ要素を濃縮したものです。これを水で希釈していき、その濃度を調整することで魚や、イルカやオットセイなどの海獣に適した海水を再現するのです。この際に、基準となるのが「塩分濃度」です。水に溶けて含まれる、さまざまな要素を同時に、個別に「はかる」ことは困難を極めます。そのため、塩分濃度を基準とし、理想の塩分濃度を保てている状態=ほかの要素も含め理想の海水を再現できている状態、としています。


京都水族館の人工海水を「はかる」、電気伝導率計

京都水族館の人工海水を「はかる」、電気伝導率計京都水族館では、魚と海獣とでは最適な水質が違うため、魚用と海獣用の2種類の溶解槽(人工海水をつくる水槽)があります。それぞれにセンサが浸漬しており、このセンサから取れるデータを機器が換算し、塩分濃度として、写真のように%表記で示しています。これは濃縮されている“海水のもと”の塩分濃度を示しており、いきもののいる水槽に入れるときには、3.4~3.6%程度に希釈されます。

この機器の名前が「電気伝導率計」。そうです、ここで冒頭に上げたキーワード、「電気伝導率」が登場しました。またの名を「導電率」とも呼ばれるこの指標は、京都水族館の人工海水をはじめとして、“水”を「はかる」という、さまざまな分析のキホンとなる重要な指標です。


水を「はかる」ことに欠かせない電気伝導率。次回は京都水族館を少し離れ、“水”を「はかる」仕組みについて、お話しします。

 

京都水族館をはかる

>>京都水族館をはかる[1] 国内初! 人工海水100%の水族館
>>京都水族館をはかる[3] 電気伝導率計で水を「はかる」
>>京都水族館をはかる[4] 京都水族館にとって「はかる」とは?


関連リンク

京都水族館

電気伝導率計HE-200H

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